宝塚『CITY HUNTER －盗まれたXYZ－』『Fire Fever!』感想｜バブル時代のワチャワチャ感

計４回見ました、宝塚版シティーハンター。活気に溢れた昭和のワチャワチャ感、絶妙な選曲、キャラクターの作り込みが素晴らしかった。漫画の舞台化は宝塚の定番、それをきっちりこなすのはさすが。原作シティーハンターオタクの友達も納得していたので、成功だったと思う、が、色々と思うことはあった。

原作モノの難しさ

小池先生の「ワンス」は本当に凄かった。原作の世界観を尊重しつつも、宝塚らしさを強調するための工夫が最大限なされていた。で、シティーハンターは原作ファンに気を使いすぎな印象。演出の斎藤先生、いい人なんだろうな…でもワチャワチャしすぎ。

舞台は情報量多いんだから、要素を絞らないと覚えてられない。キャラ多すぎ…特に悪役はいろんな悪役キャラの要素を一人にまとめるくらいじゃないとメリハリがつかない。この人なんでワルいんだっけ？ってなるから。細かいエピソードで刻まないで…！

もうハラを決めて、メインキャラの自己紹介はキャラソン歌いながら出てきてバシッと決め台詞、とかでどうですか。（花より男子みたいに）

トップスターコンビのお披露目なので、二人の得意とするジャンル（今回で言うとダンスと芝居）を特に強調してほしいし、「Get Wild」のような象徴的な曲を歌うなら、ここぞと言うタイミングで全力で歌うべき。あんなヌルっと義務みたいに歌わないで、散々勿体ぶった末に、大きく振りかぶって。いや結局歌うんか〜い！って言わせてよ。

しかし選曲は本当によかった。SHISHAMOの方の提供曲も切ない場面に合っていて最高。「STILL LOVE HER」も歌ってくれてありがとう。あの曲の歌詞、叙情的で大好き。国語の教科書に載っていいレベル。やっぱり斎藤先生にはショーをやって欲しいな。

もっと気が狂ったみたいな衣装が見たい

ショー「Fire Fever！」はクラシックで良かったが衣装が…赤い炎！というテーマはわかるが配色が控えめすぎて…単色って目が暇なのよね。小粋なスーツとか意外な配色とか、やり過ぎな原色ギラッギラ！とかじゃないともう満足できない所まで来てしまったのか私は。

あまりにも古典的なショーで、定石をキレイに踏み続けるので逆に新鮮だった。でも上級生までみんなでロケットは珍しいし、若手が踊りまくるシーンなど見応えは十分にある。

全体的に楽しんだ事は確かです。楽しかったです。朝美絢さんが二番手羽担いで降りてきて…胸が熱くなりましたね…ミック・エンジェルが超〜〜〜イケメンだったし。でもシティーハンターの演出は小柳先生だったら良かったのにとは思ったよ。